ノルウェーのサーモン生産者Kvarøy Arctic社がIBM Food Trustのブロックチェーン・プラットフォームに参加することが分かった。サプライチェーンの透明性を高め、水産物業界の不正行為を防止するという。
ノルウェーの養殖サーモン生産者であるKvarøy Arctic社は、ブロックチェーンベースのサプライチェーン追跡プラットフォームであるIBM Food Trustへの参加を発表した。Kvarøy Arctic社は、米国とカナダのホールフーズのレストランや小売店に供給している。
今後はブロックチェーンを活用し、消費者に原産地に関する詳細な情報を提供していいくという。IBM Food Trustのラージ・ラオ最高経営責任者(CEO)は、このパートナーシップを 「水産物のサプライチェーンにおける透明性と責任ある生産を推進する上で重要な一歩」だと言っている。
Kvarøy Arctic社の顧客は、QRコードを使用して、魚の年齢、収穫日、養殖場からスーパーへの配送ルートなど、サーモンの生産・流通情報にアクセスできるようになる。
サーモン生産者は、BioMar社の飼料サプライヤーと協力して、このプロジェクトにサプライチェーンを追加することも検討している。Kvarøy Arctic社によると、過去3ヶ月間で米国での生鮮魚介類の需要が急増しており、出荷量は予想の2倍に達しているという。
IBM Food Trustの広報担当であるEspen Braathe氏は、プレミアム製品は他の消費者製品よりも詐欺に遭う可能性が高いと述べた。
「高級食品への需要が高まると、それを使った不正行為も増えます。」
環境保護の非営利団体Oceanaが発表した調査によると、米国の水産物全体の3分の1が不正表示されており、その結果、消費者は低品質の製品に高い値段を支払っていることが分かった。
Espen Braathe氏は、
「ブロックチェーンは水産物業界の不正行為をなくすための未来です。テクノロジーはサプライチェーンの追跡に必要な詳細情報を提供してくれるので、食品の廃棄量を減らすこともできるでしょう。」
今年4月には、「果物の最大手」と知られているDole Food Companyが2025年までに農産物のためのIBMブロックチェーン上のサプライチェーン追跡システムを開始することが発表された。同月には、ネスレと非営利団体 Rainforest Alliance が、IBM Food Trustのブロックチェーン・プラットフォームを使用してZoegasコーヒーのサプライチェーンを追跡することを発表するなど、食品業界でのぷロックチェーン導入は進んでいる。
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